まーは“人質”
をとったのか?


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■ オレのバリアー


 疑念は拭いきれないものの、どうやらまーには独特の考え方ややり方があってそれによれば<人質>はとっていないらしい。<みみみを人質にした>とは一種の誤解で、彼が<人質>をとってはいないという方向で出来事を細かく検討してみれば、その言い分も納得できるのではないか? と思います。< ほんとかよ!! 一つだけいえそうなことは、彼は複雑な作戦を組み立てることが出来るということでしょうか。―― そのすごさや立派さが他人に理解できるか(理解させることが出来るか)は別として。


 冒頭で確認したように、

 みみみがとらわれる
  
 むむとめんめんはまーの出した要求のとおり動く

これは表面的なことの成り行きであって、内実は
みみみがとらえられた から むむとめんめんがまーの要求に従ったとは言いがたい と言いました。ここからは、そのあたりのことを中心に見ていきたいと思います。


 *

 まず、<みみみがとらえられたから>と言うためには、むむとめんめんが<みみみを助けたい>という意志で行動していなければなりません。たしかに、むむもめんめんも暗黒ま城の中でスカル3兄弟に追い詰められたピンチのみみみを助けに駆けつけた。
〔6巻「3人のチカラとわざぼー」〕 二人にみみみを助けたいというキモチがないこともない。

 しかし、今回みみみは自分を閉じ込めているバリヤーを破壊する力があることを示した。みみみは逃げられるのだ。つまり、
二人が助ける必要はない。


 ―― ということは、
二人が戦う理由は一体なんなのか? 


 むむはめんめんに詳しく説明されたまーの狙いを聞いて「チィッ!」と舌打ちしています。縁がギザギザした力強い吹きだしでそれは表されている。まーの利益にしかならない戦いなので、決して乗り気だったとはいえないはず。

 ここで一度戦いにいたるまでの流れをおさらいしてみましょう。

  1、みみみがつかまる
  2、まーが戦いのルールを説明する
  3、むむがまーの目的への疑問を発する
  4、めんめんがまーの目的を解説する
  5、みみみとまーがめんめんをめぐり一悶着する
  6、まーが戦士を召喚する
  7、バトル開始! !


この中で明らかにみみみが戦いをたきつけるシーンがありました。

 【4】でめんめんが説明した時点では、めんめんもむむも<みみみを助けたい>という気持ちがあったはずで、まーの思惑に従うのは不本意のような態度が見てとれます。「ボクたちが負けると 〜 ボクたち二人の玉をねらってるみたいだ」 とまーの意図を言うめんめんの波打つような吹きだしは当惑を表しているようだし、先にも触れたむむの力強い舌打ちは拒絶感を表しているように思われます。二人とも<みみみを助けたい>おもいと<まーに従いたくない>という葛藤に揺らいでいる様子。

 問題はそのあと、【5】のやり取りにある。みみみはまーがめんめんを「うらぎり者の弱虫やろう」と言ったことに腹を立ててバリヤーを破る。


  「――それ以上くだらねぇコトいってると・・・、やんぞ!!!」

と凄み、まーを恐ろしい剣幕で睨んでいます。傍点までふられている
「やんぞ!!!」
 とはどういう意味か。殺すぞという脅しだ。これに対し、まーは焦るばかりで反撃しない。いや、できないのではないか? この一瞬においてみみみはまーより強い。

 みみみはまーから逃れられるとはっきり示された。それなのに、どうしてこの流れでむむとめんめんはまーの戦士たちと戦わなければならなくなってしまったのだろう。

  
「・・・さーてと。2人が勝つトコじっくり見させてもらうか。」

 みみみはこのように言って、戦いを見る気満々です。

  「・・・いいだろう・・・。仲間たちがくたばるところをぞんぶんに見るがいい。」

 ここでまーが承諾している内容はみみみが二人の戦いを決行するように指図したことへの返事ではないか。自分が考案したゲームが成立しなくなってしまうほうが、みみみに主導権を奪われるよりも重要なことと彼は判断したようである。そしてまもなく、戦士(ゴルデン、シルバン)が召還された。もし、それより前であれば、むむとめんめんが何らかの方法で孤島になっているステージから解放されて、みみみもいれた3人でまーをとっちめる流れに向かうことも出来たはず。けれど、みみみがやれといっやからやった……。



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